京都新聞HDが大株主である元相談役に34年間で約19億円を利益供与していた疑い。監査等委員会設置会社に移行したことで再発は防止できるのか?

京都新聞HDが、大株主である元相談役に34年間で19億円もの利益供与をしていた疑いがあることをきっかけに、監査等委員会設置会社に移行した。監査役会設置会社や指名報酬諮問委員会を設置すれば、再発は予防できるのでしょうか。結局は社内取締役が腹を括れるかによる。

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役員による経費の私的流用を調査・指摘したら解雇。鳥取ガスが内部通報者に不利益取扱い?

鳥取ガスの部長と鳥取ガス産業の執行役員2人が役員による経費の私的流用を内部通報したところ、守秘義務違反を理由に解雇に。税理士への相談は守秘義務違反になるのか、また社内調査した内部通報者を解雇することに相当性はあるのか。

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富士通子会社とドミノ・ピザの価格表示に消費者庁が景品表示法に基づく措置命令。有利誤認表示の基本を確認しよう。

富士通クライアントコンピューティング、ドミノ・ピザジャパンに対して、消費者庁が有利誤認表示を理由に景品表示法に基づく措置命令。キャンペーン価格などは表示に関するルールがある。

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東洋建設取締役会対YFOに決着。招集通知発送後にリリースを連発したものの、その内容はある程度は具体的だけれども、全体的には定型文的な文章が多くて効果が薄かった印象を受ける。

東洋建設対YFOの争いはYFOが取締役会の過半数を占めることで決着。東洋建設はリリースを連発したけれど、内容が具体性に欠け、定型文気味でもあり、選任理由の説得性が薄かった印象を受ける。

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ロシアのワグネル/プリゴジンの乱を見て、社長解職のクーデター成功事例を振り返る

会社でも社長を解職するなどのクーデターの成功事例は数多くあります。取締役間の根回しが難しい場合には、内部通報、社内調査、第三者委員会による調査などを駆使することでクーデターの成功可能性は高まるかもしれません。

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日産自動車の内田CEOがグプタCOOを監視していたと、ハリ・ナダ専務執行役員が内部告発。取締役相互の監視監督義務の程度と、監視監督の方法として許される限界を過去の裁判例に照らして考える。

取締役相互の監視監督義務は、究極的には不適格・不適切な代表取締役・業務担当取締役の解職をする義務です。監視監督義務は何をしても許されるのではなく、取締役に報告・資料の提出を求める、監査役・会計人の意見を聴取する、内部統制システムを活用するといった適切な方法で行わなければなりません。

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爆縮により圧壊した潜水艦「タイタン」の開発中に安全性の問題を指摘した従業員は解雇されていた。内部通報・告発と守秘義務の関係を整理する。

内部通報・内部告発には守秘義務違反の側面があることは否定できなに。しかし、守秘義務違反を理由に懲戒処分や損害賠償請求できるかは、公益通報者保護法、懲戒処分濫用法理に照らして判断する。内部通報・内部告発が間違っていたとしても、真実・真実相当性、通報告発の目的、通報告発の手段に照らして問題がないときには懲戒処分できない

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コスモエネルギーホールディングスが買収防衛策を導入するための株主意思確認総会決議に「マジョリティ・オブ・マイノリティ」条件を採用。賛成比率59.54%は微妙ではないか。

マジョリティ・オブ・マイノリティ(MOM)は買収している株主が保有する議決権割合が高ければ高いほど、少数株主の過半数の賛成だけで議決が通ってしまいます。買収者の持株比率が高く、残された株主による対抗策発動への賛成比率が低い場合には、株主意思確認総会の手続の瑕疵を認めるべきだと思います。

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エムケイシステムがランサムウェアに感染した後の危機管理対応から「上場会社の開示」と「危機管理広報」とは目的と発信する情報の内容が異なることを理解する。

上場会社としての開示は、投資家・株主に向けて株価の変動に影響する事象の存在を知らせるためのもの。危機管理広報は消費者・取引先・世の中の人たちに、信頼・信用を維持・回復、不安を払拭するための情報を提供するもの。目的も内容もまったく別物です。
「開示をしたから危機管理広報ができた」などと誤解しないでください。

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