「同じ理由もあろう」と社長が語った、ニデック品質不正。会計不正とは別に二段階で発覚した原因と構造。

ニデックで会計不正に続き、5月13日に1000件超の品質不正の疑いが正式発表されました。岸田社長は「同じ理由もあろう」と述べ、永守氏の業績プレッシャーが背景にあるとの認識を示しています。なぜ二度に分けて発覚したのか。第三者委員会の調査が会計に絞られていた構造、現場と経理に同じ向きで降りていたプレッシャー——三菱電機、ダイハツの先例も踏まえて、自社のガバナンスに引き寄せて読み解きます。

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Claude for Legal の登場。法務担当者がいない会社こそ知っておくべき、期待と注意点

Anthropic社が2026年5月12日、法律分野に特化した「Claude for Legal」を正式に発表しました。法務担当者を置けない中小企業やベンチャーにとって、生成AIは強力な味方になり得ます。一方で、日本法・日本判例のデータベースとは未連携であり、情報漏えいやハルシネーションといったリスクも残っています。法務専任者がいない会社こそ知っておくべき、AIとの距離感について解説します。​​​​​​​​​​​​​​​​

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「祖業を残す」と決めた経営陣が、株主との対話で用意すべきもの ――ノリタケへの株主提案と2026年コーポレートガバナンス・コード改訂

2026年5月、ノリタケが祖業の食器事業継続を表明する一方、株主からは事業ポートフォリオ見直しと開示を求める株主提案が出されました。「ブランド」「無形資産」という言葉だけでは株主との対話は成立しません。富士フイルムの事業転換と2026年CGコード改訂の方向性を踏まえ、経営陣が今、株主に対して用意するとよい情報の中身と対話の作法を、企業法務の視点から整理します。

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ポテチの袋2色化を「環境配慮」と書かなかったカルビー——グリーンウォッシュとの誹りを避けた誠実な情報発信の作法

カルビーが2026年5月、ポテチ等14品のパッケージを2色印刷に切り替えると発表しました。インク削減はCO2やVOC削減として環境配慮の文脈でアピールすることも技術的には可能でしたが、カルビーは地政学リスクのみを理由として淡々と書きました。グリーンウォッシュの誹りを避けるために「言わない」という判断を選んだ開示の作法を解説します。

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偽の指示で11億円が流出。はてな事案が示す「社長案件」というガバナンスの抜け穴と、考えられる予防策。

2026年4月、東証グロース上場の株式会社はてなで、虚偽の送金指示により最大約11億円が流出する事案が発生しました。一従業員のアカウントから巨額の資金が動いてしまった背景には、「社長案件」という言葉に弱い日本企業特有のガバナンスの空白があります。CEO詐欺・BECの仕組みと、決裁ルートの再設計について、過去の他社事例も踏まえて解説します

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「職場のコンテンツ化」で裏切られる時代の情報管理。2026年春のSNS漏洩多発が突きつけた、研修アップデートの課題

2026年4月、入社式直後から新入社員によるSNSへの不適切投稿が相次いで発覚しました。研修を実施したばかりの企業でも漏洩が起きている事実は、私たちの情報管理研修が「知識を伝える」ところで止まっていないかを問いかけています。世代間ギャップの正体を、現場の心理に目を向けて整理しました。

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KDDIの不正会計事案から学ぶ、ガバナンスの本質。数字の裏に潜むリスクを見抜く力の重要性。

本記事では、KDDIグループで発生した巨額の架空循環取引事案を題材に、上場企業のガバナンスのあり方を考察します。数字や形式的な「三線ディフェンス」に頼りすぎる経営の危うさと、経営トップが抱く「違和感」を組織の改善につなげる重要性を解説します。ネット上のデータに依存せず、取引先との実態あるコミュニケーションを通じて、いかに不正を未然に防ぎ、実効性のある統制環境を構築すべきかを提言します。

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国内の3大メガバンクが、2029年3月末までに計1兆円以上の政策保有株を削減する方針を打ち出すなど政策保有株解消が加速。企業に求められる「真の安定」への転換。

3メガバンクが2029年までに政策保有株を大幅削減する中、企業には「安定株主」の定義を捉え直す姿勢が求められます。ISS等の助言会社が保有比率の高い企業の経営トップ選任に反対を推奨する例もあり、持ち合いの維持が逆に経営リスクとなるためです。ホンダ等の大手も「保有ゼロ」を受け入れ、形式的な資本関係から実利的なパートナーへと進化しています。自ら対話で株主を選ぶことが、真の安定経営に繋がると考えます。

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豊田自動織機を非公開化するTOBが終了。持ち合い株式も解消したトヨタグループの再編に学ぶ、事業成長のための「非公開化」という選択肢。

トヨタグループは、豊田自動織機の非公開化を柱とする資本再編を実施しました。目的は、短期的な市場評価に左右されず、物流ソリューションや自動運転等の成長分野へ中長期的な投資を行うためです。
再編では、特定の事業会社に支配されないよう、グループ各社が出資するトヨタ不動産を親会社に据えました。同時に、織機が保有するトヨタ自動車やデンソー等の株式を売却し、その資金を自社株買いや非公開化の原資に充てることで、持ち合い株式を「攻めの資本」へ転換しました。
この「しがらみ」を成長投資へ転換する独創的な手法は、上場維持に拘らない抜本的な改革を目指す企業のモデルケースといえます。

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2026年3月期から変わる人的資本開示。事業戦略と連動しない人的資本開示は経営リスクになる。「平均値」を追うのをやめるべき理由。

2026年3月期から、人的資本の開示は「経営戦略との連動」が義務化され、取締役の経営判断の合理性がより厳格に問われるようになります。

これまで「福利厚生」として処理されがちだった人材コストを、事業計画達成のための「投資」と再定義すべきだと指摘しています。経営陣が意識すべきは、単なる数値の「平均値」を上げることではありません。目指すべき戦略と現状の人材ポートフォリオの間にある「ギャップ」を特定し、それを埋めるための投資判断をロジカルに説明できるかどうかが鍵となります。

開示を単なる義務ではなく、自社の勝機を市場に宣言する「経営戦略の根幹」と捉え直すための、具体的な視点を解説します。

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