大正製薬がリポビタンシリーズに関する広告契約でお気持ち表明。契約で競合・競業を法的禁止できる範囲と、広報の目的。

裁判所は、競業を禁止できる範囲を限定的に解釈している。メットライフアリコ生命事件では「在籍時と同事業の営業に留まらず、生命保険会社への転職自体を禁止することは、それまで生命保険会社で勤務してきた退職者への転職制限として広範すぎる」としました。
大正製薬のリリースは、コンプライアンスの意味、企業の社会的責任(CSR)をどう捉えるか、大正製薬の経営理念に基づくものと推考できる。

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山形県米沢市の中学生が部活からの帰宅途中に熱中症の疑いで死亡。従業員が熱中症になった場合だとしたら会社・取締役に責任はあるのか、を考える。

山形県米沢市の中学生が部活帰りの帰宅途中に熱中症の疑いで死亡。この機会に、会社の取締役・取締役会は、安全配慮義務、安全配慮体制構築義務の観点から、社内体制の整備と見直しを。

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そごう・西武の労働組合がスト権を確立。親会社であるセブン&アイHDは団交の申し入れ、ストライキにどう対応したよらよいか。株式譲渡による事業再編(M&A)という特殊性を考慮すると・・。

子会社であるそごう・西武労働組合による団交申し入れに親会社のセブン&アイHDは応じる義務があるか。団交拒否ができるのか。労組法上の「使用者」に該当するのか。団交を始めた後の組合切り崩しは支配介入に該当するので注意が必要。

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定年後再雇用者の基本給と賞与相当の一時金を定年退職時の半額以下にすることは同一労働同一賃金の原則に違反するか? 名古屋自動車学校の最高裁判例は控訴審の審理不尽を認めただけで、同一労働同一賃金の原則に違反するとまでは判断していない

名古屋自動車学校の定年後再雇用者の基本給、賞与が定年時の半額以下になったことについて、最高裁は同一労働同一賃金の原則に違反するとまでは言っていない。メトロコマース事件を参考に、労働条件に差異があることが不合理な待遇差であるかどうかは、基本給と賞与の性質、目的に照らして判断すべきと指摘しただけ

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従業員の熱中症対策として会社・取締役は安全配慮義務の観点から何をすべきか。漠然と配慮すべき義務を超えて熱中症を予防するための「体制」を構築する義務を負っていることに注意。

従業員の熱中症を予防するための対策を講じることは会社・取締役の責任です。安全配慮義務であると同時に、安全配慮「体制」の整備も取締役の責任だと思ってください。

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日本通運子会社の元従業員が「内部通報を理由に懲戒解雇された」と主張していた訴訟で和解が成立。言動に問題がある従業員が内部通報・告発したら会社は懲戒処分できなくなってしまうのか?

内部通報・告発者を懲戒処分する際には、内部通報・告発を理由とした不利益取扱いと誤解される可能性がきわめて高いです。

そのような誤解をされないためにも、また懲戒処分が不利益取扱いだと主張され訴訟に発展したときに裁判所で戦えるためにも、内部通報・告発者の過去の問題ある言動を把握した経緯や、懲戒処分に関する社内手続の記録を残し、弁明の機会を与えるなど就業規則・懲戒規程を守った適正な手続を経て、相当な処分をするようにしてください。

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性同一性障害と診断された経産省の職員が執務フロアと上下階の女性用トイレを使用することを認めない人事院の措置について、最高裁が違法とする判決。中立的な立場から企業のLGBT対策への影響を解説する。

性同一性障害と診断された経産省の職員が、執務フロアと上下階の女性用トイレを使用することを認めない措置について、最高裁が違法とする判決。

性同一性障害/トランスジェンダーの職員が女性用トイレを使用することができるかどうかは、具体的な事情を考慮して、性同一性障害/トランスジェンダーの職員と女性職員との公平性・受ける不利益の程度を考慮して判断するように、と最高裁は判断しただけです。

最高裁は、男性が性同一性障害/トランスジェンダーを自認すれば女性用トイレを使用できると認めたわけではありません。

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東海道新幹線の運転士と車掌の年次有給休暇取得に対する時季変更権の行使の適法性について東京地裁と大阪地裁で判断がわかれた。時季変更権を行使できる「事業の正常な運営を妨げる場合」とは。

年休の時季指定に対して、人員不足で業務上支障が生じるおそれがあることだけを理由に時季変更権を行使することは違法(特に人員不足が常態化しているときに時季変更権を行使することは違法)。代替要員確保に向けた通常の配慮・努力をした後にだけ時季変更権を行使することができる。

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経産省が社外取締役向け研修・トレーニングに関する調査結果を公表。研修やトレーニングが必要な人材は社外取締役としての適性があるのか?

経産省が社外取締役向け研修・トレーニングに関する調査結果を公表。でも、専門知識や経験がある社外取締役を選任していれば、研修・トレーニングなど本来なら不要なはず。

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