余談。どうやって不正・不祥事などの情報を収集しているか?危機管理に関する情報収集のポイント。

こんにちは。弁護士の浅見隆行です。

今日は時間がないので、いつもと違った余談です。

このブログでは、多くの企業の不正・不祥事や処分事例など危機管理に関する情報を紹介しています。

私が執筆する雑誌などの原稿や、私が講師として話す研修でも、多くの事例を紹介しています。

これについて、「どうやってそんなに企業の不正や不祥事の情報を集めているのか?」と質問されることがあります。

不正や不祥事に関する情報を収集するとっかかり

新聞記事

とっかかりになっているのは、ビジネスパーソンの基本である

です。

それに加えて、

も、とっかかりになっていることが多いです。

また、Googleのニュース検索を使って他社の報道内容を調べることで情報(事実関係)を掘り下げていきます。

インターネット全盛の時代のありがたみを感じます。

一次情報に触れる

これらの記事をきっかけにして行政や企業の公式サイトを訪れてオフィシャルに発信されているリリースや調査報告書があるケースなら調査報告書の内容を確認します。

大事なのは、可能な限り一次情報に触れることです。

情報の保存

それらの中から気になるものを、以前はEvernote、現在はUpnoteに片っ端から保存しています。

時にはテキストでの保存だけでなくスクショでも保存していきます。

過去のニュースや裁判例

過去のニュースや裁判例については、

で調べています(TKCローライブラリーだと両方のサービスが使えます)。

過去の判例での事実認定は、不正や不祥事の情報の宝庫です。

メディアでは報道されていない内容なども書かれていることが多く新鮮です。

自分でEvernoteやUpnoteに保存していた情報が役に立つことも多々あります。

法律の知識

法律の知識については、

・法律の書籍(学者や実務家が執筆した基本書、実務本)

・行政が出している解説

が基本です(Legal Library だと手元に書籍がなくてもオンラインで調べものができます)。

勉強しなければ知識の量は増えませんし、そのうえで考えなければ質も高まりません。

ネットで専門家以外が書いた記事を鵜呑みにするのは間違いの始まりです。

専門家が書いた原稿で知識を確認しましょう。

最終的には頭を使って考える

情報を収集しただけでは、情報の山が目の前にできるだけです。

最終的には、それらの情報をもとに自分の頭で考えることが欠かせません。

「なんでこういう制度になったのだろう?」「当事者はどんな思いでこんな行動に至ったのだろう?」などなど、事実(点)と事実(点)をつなぐ部分は自分で考えるしかありません。

Amazonで「インテリジェンス」で検索すれば、考えることについて解説した本がたくさんでてくるので、数冊読んでみたら良いのではないでしょうか。

また、人間の行動心理・行動倫理についても勉強すると、不祥事はわかりやすいです。

基本中の基本である畑村洋太郎「失敗学のすすめ」のほか、いろんな事件報道を読んでみると良いと思います。

以上が、何かの参考になれば幸いです。

アサミ経営法律事務所 代表弁護士。 1975年東京生まれ。早稲田実業、早稲田大学卒業後、2000年弁護士登録。 企業危機管理、危機管理広報、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、情報セキュリティを中心に企業法務に取り組む。 著書に「危機管理広報の基本と実践」「判例法理・取締役の監視義務」「判例法理・株主総会決議取消訴訟」。 現在、月刊広報会議に「リスク広報最前線」、日経ヒューマンキャピタルオンラインに「第三者調査報告書から読み解くコンプライアンス この会社はどこで誤ったのか」、日経ビジネスに「この会社はどこで誤ったのか」を連載中。

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