エア・ウォーターが不適切会計を機に監査等委員会設置会社に移行し、社外取締役を議長に。オリンパスと比べて見る、ガバナンスを機能させる社外取締役の資質

エア・ウォーターは2026年9月、前会長が容認した不適切会計を受けて監査等委員会設置会社へ移行し、独立社外取締役を議長に選びました。しかし同社には以前から指名・報酬委員会もあり、監査室長はトップに隠し方を説明していました。2011年は機能せず2024年に在任中のCEOに辞任を求めたオリンパスと比べ、社外取締役の再任への遠慮、資質、情報の届き方から、体制変更を監督につなげる条件を整理します。

続きを読む →

焼肉きんぐ、タイムズカーなど会員情報の漏えいが相次ぎ、攻撃側の中国製AI利用も判明。AIが探して回るのは以前から指摘されてきた穴。現実を踏まえた情報セキュリティ対策

2026年9月下旬から焼肉きんぐ、タイムズカーなどで会員情報の漏えいが相次ぎました。GMOサイバーセキュリティ byイエラエは10月19日、日本企業を狙う攻撃元で中国製のAIツール「ARTEX」の使用を確認し、JPCERT/CCもAIによる脆弱性の探索を確認しています。しかし、AIが突いていたのは更新されない古いソフトウェアやアプリに埋め込まれた鍵など、以前から指摘されてきた穴でした。公表事案と公的統計から、取締役会が確かめるべき対策を整理します。

続きを読む →

ジャングリア沖縄の親会社が173億円の最終赤字、来場者計画とのずれを総会まで修正できなかった。取締役は物を言えていたかという監視義務の問題

ジャングリア沖縄を運営する会社の親会社、ジャパンエンターテイメントホールディングスは2026年9月25日の株主総会で、173億円の最終赤字と来場者目標の引き下げを示しました。来場者は開業半年で計画を大きく下回っていましたが、計画の見直しは総会まで表に出ていません。事業を主導した刀の森岡毅CEOに他の取締役は物を言えていたのか。役員同士の監視義務の問題と、公的資金が入る事業での甘えの危うさを取り上げます。ニデックの教訓も踏まえ、見直しの基準を開業前に決めておく必要を論じます。

続きを読む →

辺野古転覆事故から半年、同志社国際高が校外活動再開へ。学校法人が当事者として動かない危機管理と、改正私立学校法のガバナンス改革。

同志社国際高等学校は2026年10月1日の保護者説明会で校外活動の再開を示しましたが、辺野古沖の転覆事故から半年、設置者である学校法人同志社が矢面に立ったのは事故翌日の記者会見だけです。同じ時期に学校法人暁星学園が理事長名義で法人の全責任を認めたのとは対照的に、委員会の設置や人事の決定にとどまり、遺族対応も説明も高校に任せたままです。2025年施行の改正私立学校法が求めたガバナンス改革の中身を考えます。

続きを読む →

関連当事者からの商標権譲受を有価証券報告書に注記せず、I-neに課徴金納付命令。会社が社長による個人的貸付の実態を把握できなかった問題点と、把握するための情報管理体制のあり方。

金融庁は2026年9月17日、関連当事者からの商標権譲受を有価証券報告書に注記しなかったI-neに、課徴金納付命令を決定しました。社長は取締役会で個人的な貸付を3000万円と説明しましたが、実際は約4.7億円でした。会社の帳簿に載らない役員の貸付を、会社がどう把握するのか。取引先の確認、報告経路、裏づけ資料の求め方から、情報管理体制のあり方を整理します。

続きを読む →

旭化成元部長が技術情報流出で逮捕。退職者による持ち出しを防げない組織の限界と再発防止策の難しさ。

旭化成は2026年9月17日、半導体材料の製造技術に関する営業秘密を中国企業に流出させたとして元部長が不正競争防止法違反容疑で逮捕されたと公表しました。情報流出の発覚には時間差があり、発見の経路も一様ではないという現実を踏まえ、在職中のアクセス管理だけでは退職者による持ち出しを防ぎきれない理由と、企業が取りうる現実的な備えを考えます。

続きを読む →

2026年10月1日発売の月刊広報会議2026年11月号にて連載中の「リスク広報最前線」に、拙稿「揶揄の投稿にどこまで対応するか?」が掲載されました

こんにちは。弁護士の浅見隆行です。 2026年10月1日発売の月刊広報会議2026年11月号にて連載中の「リスク広報最前線」に、福島大を取り上げたYoutube動画を巡り、大学が声明を出した件を題材と…

続きを読む →

2026年9月16日付読売新聞(大阪)朝刊「再発防止 親として 辺野古転覆半年」に、コメントが掲載されました

こんにちは。弁護士の浅見隆行です。 2026年9月16日付読売新聞(大阪)朝刊「再発防止 親として 辺野古転覆半年」と題する特集記事で、学校法人同志社のガバナンスが機能していないことについてコメントし…

続きを読む →

日本実業出版社刊「企業実務2026年10月号」に拙稿「生成AI時代における『営業秘密』の漏えいリスクとその対策」が掲載されました

こんにちは。弁護士の浅見隆行です。 日本実業出版社から刊行されている月刊誌「企業実務2026年10月号」に拙稿「生成AI時代における『営業秘密』の漏えいリスクとその対策」が掲載されました。 生成AIに…

続きを読む →

Osaka Metroの万博輸送用EVバス調達で67億円の特別損失。リスク管理はなぜ機能しなかったのか。

大阪市高速電気軌道が2026年7月17日に公表したEVバス調達の調査報告書は、リスク管理が現場からも経営からも働かなかった経過を示しています。社長レク、子会社、調達部の3か所で出た指摘は上がった先で消え、150台という規模を承認した取締役会では、その台数を誰が作れるのかも安全性も問われませんでした。67億円の特別損失に至った意思決定から、経営陣が会議の場で自ら発すべき問いを整理します。

続きを読む →

error: 右クリックは利用できません