記者会見やプレスリリースで謝罪したとの一事をもって、会社や役員の責任を認めたケース(あるいは裁判例)は見あたりません。

法的に言えば、会社や役員は、①不法・違法な行為が存在し、②損害が発生し、③不法・違法な行為と損害との間に因果関係があり、④不法・違法な行為の発生につい
て会社や役員に帰責性が認められる―ような場合に限って初めて責任が認められます。

記者会見において謝罪することの意味は、あくまでも、迷惑をかけた、心理的な不安を発生させたことについてお詫びをすることです。

ところが、わざわざ記者会見を行なっておきながら、法的責任を認めたことになるからという理由で謝罪を行なわないケースを多々見かけます。

危機が発生したか、危機の発生が予測されることを理由に記者会見を行なったにもかかわらず、担当者が記者会見の場で何らの謝罪もしなければ、記者会見に出席し
ている記者団から糾弾されるのは間違いありません。

このような事態を招いてしまえば、記者は会社に対して好意的な記事を書いてくれません。報道でも、好意的には扱ってくれません。

会社にとっては、記者会見を行なったことがかえって裏目に出てしまうことになります。

記者会見やプレスリリースなど危機管理広報を要求される場面では、積極的に謝罪を行うべきです。