不祥事が発生したとき、または危機の発生が迫っているときに、会社が広報活動を行なう目的は、早期に危機の存在を社外に知らしめ、「危機を解消・予防すること」と「危機の拡大を防止すること」です。

たとえば、製品事故により死傷者が発生したようなケースでは、早期に事故の存在を消費者に知らしめて、消費者による製品の利用をやめてもらうことで、次なる死傷者の発生を防止することなどを目的として、広報を行います。

また、不祥事が発生したときに、会社が広報活動を行うもう一つの目的は、「会社の信頼回復と損失の拡大の防止」にあります。

製品事故のケースでいえば、会社が「事故が発生する可能性のある製品は、いつからいつまでの期間に作られた製品である」「事故の可能性がある製品のロット番号は、製品のここに書かれています」などと広報することによって、消費者に事故が発生する可能性のある製品とその可能性がない製品とを区別する基準を示し、製品全般に対する消費者の安全・安心を確保することと、会社そのものに対する信頼を確保すること、そして、消費者を安心させることで不買運動や買い控えなど会社にとって事故と関係のないところでの損害の発生を食い止めるということです。

不祥事が発生した場合、とかく企業はその不祥事の発生の事実を隠したがりますが、むしろ、積極的に事故の存在や具体的な内容を広報によってアナウンスすることが会社の利益につながることを理解していただきたいと思います。