株主総会の準備・運営の手続は、会社法に定められています。

その手続を間違えれば、株主総会の取り消し(=株主総会をもう一度やり直さなければならない)という事態にも陥ります。

また、最近の株主総会は、かつての総会屋が跳梁跋扈していた時代とは異なり、多くの一般株主・一般投資家が出席しています。

そのため、株主総会当日の進行や、株主総会での質疑の内容が、一般株主・一般投資家にも理解できるように配慮する必要があります。

そのような厳格な手続と、一般株主・一般投資家へのわかりやすさの両方をカバーするためには、主に、次のような準備をする必要があります。

1.株主総会のスケジューリングを事前に確定する

株主総会は、株主総会に出席することができる株主の確定日(基準日)の公告、株主に対する招集通知の発送など、多くの手続が「株主総会の日から○日前までに行わなければならない」などと法律上スケジュールが定められています。

また、株主総会の開催のためには、株主総会を開催するための取締役会決議や、株主総会に提出する計算書類の監査などの手続を経なければなりません。

さらに、株主総会を招集するに当たっては、招集通知や事業報告の作成など多くの労力も必要です。

そこで、株主総会を滞りなく開催するためには、株主総会の6か月近く前から、すべての手続のスケジューリングを確定し、また社内での役割分担などを決めておく必要があります。

2.シナリオを作成する

株主総会当日に株主総会をスムースに、かつ手続の漏れなく進行させるためには、株主総会当日に議長(多くの会社では社長です)が議事進行を行うためのシナリオを作成してくことが求められます。

シナリオが完成していれば、株主総会当日、議長は株主との質疑応答だけに集中することができます。

3.想定問答集を作成する

株主総会において、取締役は、事業報告・計算書類などの報告事項の内容と、各議案の内容については、必ず説明しなければならない説明義務を負っています。

また、説明する内容も通り一遍のものでは足りず、最低でも招集通知に記載されている内容、事業報告・計算書類の附属明細書に記載されている内容は説明しなければなりません。

取締役がこの説明義務を尽くさなかった場合には、株主総会は取り消される可能性があります。

そのため、報告事項と議案の内容について、あらかじめ想定される質問については、その質問と回答を準備しておく必要があります。

.リハーサルを行う

シナリオと想定問答集ができていたとしても、議長や取締役は、ぶっつけ本番では、緊張感などもあって、株主総会をスムースに進行し、終了させることはできません。

また、株主総会当日には、株主からの予期せぬ発言や行動によって、株主総会をスムースに進行させられない可能性もあります。

そこで、株主総会を行うにあたっては、事前に議事の進行や想定問答について何度もリハーサルを繰り返し、議長や取締役に株主総会に対する感覚を養ってもらうほか、あらかじめ、株主からの予期せぬ発言や行動があった場合を想定した対策を練習しておくことが望ましいといえます。

さらに、リハーサルは、議長や取締役の練習としての意味のほか、株主総会当日の会場設営の状況などを事前に確認しておくという意味もあります。

そのため、株主総会に向けてのリハーサルは不可欠です。

6.事務局の準備

株主総会の議事進行役は議長ですが、議長ひとりの力で株主総会を進行することはできません。

議長が躓いた場合のほか、株主からの質問や株主の予期せぬ発言・行動があった場合にも、株主総会の事務局が議長をサポートする必要があります。

このサポートのためには、あらかじめ事務局としても、議長がサポートできる体制を整えておかなければなりません。

リハーサルを含めて、このサポート体制を確立することが必要です。