会社が従業員に秘密保持義務・守秘義務を負わせる方法としては、

(1)就業規則に秘密保持義務・守秘義務を明記して、社内ルールとして義務を負わせ、かつ、

(2)従業員一人一人から個別に秘密保持契約書・守秘義務契約書を提出させる

という方法が考えられます。

ポイントとなるのは、秘密保持義務に関する就業規則や秘密保持契約書・守秘義務契約書の表現(文言)です。

過去の裁判例では、就業規則に「従業員は、会社の業務上知った、もしくは知り得た一切の機密、ノウハウ、データを記録した媒体等を秘密として保持しなければならず、会社の承諾なしに、社外に漏洩してはならない」とだけ定めた場合に、「内容が抽象的」であるとして、秘密管理性を認めなかったケースがあります。

そのため、就業規則や秘密保持契約書・守秘義務契約書には、秘密とする情報の内容を具体的に示す必要があります。

たとえば、就業規則には

「従業員は、会社の業務上知った、もしくは知り得た一切の機密、ノウハウ、データを記録した媒体等、および会社が秘密として指示した事項を秘密として保持しなければならず、会社の承諾なしに、社外に漏洩してはならない」


個別の秘密保持契約書・守秘義務契約書には
 
とある程度抽象的に定め、

「仕入れ先や顧客に関する情報が営業秘密であって、従業員は、業務の目的以外に使用してはならない」

「・・・に関する情報、・・・に関するノウハウ、・・・に関するデータを記録した媒体等を秘密として保護しなければならない」

 

などと、秘密の内容を具体的に限定して定めることが望ましいと考えられます。

ただし、このように秘密の内容を具体的に限定して定めなければならないため、従業員が複数のプロジェクトに関与し様々な情報に接するような場合や、特定の研究開発に携わるような場合には、その都度、従業員からそのプロジェクトや研究開発についての秘密保持契約書・守秘義務契約書を提出させる必要が出てきます。