会社が不祥事を発生させたとき、もしくは不祥事の発生が予測されるときときには、会社は広報活動で次の5つの要素を「内容」に盛り込んで説明すべきです。

(1)謝罪
会社が記者会見などの危機管理広報を行なうのは、危機が現に発生したか、危機の発生が予測される場合です。

危機が現に発生している場合には、その危機によって迷惑や損害を受けている被害者的立場の人が発生しています。

したがって、この場合に会社がその被害者的立場の人を想定して謝罪するのは当然です。

また、危機はまだ発生していないけれども、危機の発生が予測されるという場合でも、危機発生が予測されるような状況を招いたことによって、心理的に不安を感じ
ている人が発生しているのは容易に想像できます。

したがって、この場合にも、会社がその心理的不安を招いたことに対して謝罪することが必要です。

(2)事実経過

記者会見をはじめとした危機管理広報の場では、その時点までに明らかになっている事実を説明しなければなりません。

この事実の説明では、「5W1H」が重要です。

いつ、どこで、誰が、何を、なぜ危機が発生したのか(発生が予測されるのか)、どうやって発生したのか(発生するのか)を説明するのです。

事実の説明がなければ、広報の受け手である記者や消費者は何が起きているのか理解できません。

記者が理解できなければ、報道を通じて危機の存在を知ることになる読者あるいは視聴者は、ますます、何が起きているのかを理解できなくなってしまいます。

これでは、会社はいたずらに不安を煽っているだけで、危機を解消・予防・拡大防止するという目的を達成できず、危機管理広報を行なう意味もありません。

(3)原因究明

事実経過の説明とともに重要なのは、原因究明の結果を発表することです。

原因まで発表しなければ、危機の解消・予防、危機の拡大防止には役立たないからです。

このことは、特に製品のPL問題が発生したときに重要な意味をもちます

たとえば、製品事故の原因が、構造上の欠陥にあるのか、それとも製品の使用方法の問題に原因があるのかまで説明することによって、会社は消費者に対して、危機の解消・予防、危機の拡大防止に関する効果的な情報を伝達することができます。

また、消費者も、自分が保有している製品から事故が発生するかどうかを的確に判断できるのです。

(4)再発防止策

さらに、危機管理広報では、危機(リスク)の再発防止策についても説明しなければなりません。

会社が謝罪、事実経過、原因を発表するだけで、二度三度と同じ危機を繰り返す可能性を残したままでは、危機の解消・予防、危機の拡大防止という目的を達成できないからです。

再発防止策は、技術的に高度なもの、難しいものでなくても構いません。

判明した事実、究明された原因の内容に即して、その事実、原因を解消できれば十分です。

(5)会社がとる責任

最後に忘れてはならないのは、危機に対する会社の責任です。

ここでもよくある誤解の例は、「危機が発生したときの会社の責任の取り方は、社長が辞めることである」というものです。

しかし、危機が発生したとき、危機が予測されるようなときは緊急事態です。

こうした状況下で社長が簡単に辞めてしまっては、社内がかえって混乱するだけで、会社は危機の解消・予防、危機の拡大防止という目的を達成することはできません。

また、社長が辞めれば世間の非難・批判をかわすことができるとの考えから社長を辞めさせるのでは、社長が何人いても足りなくなってしまいます。

会社がとるべき責任の取り方も、危機の大小、拡大可能性、危機の緊急性、事実・原因の内容、事実・原因の発生時期、再発防止策などを考えながら、適切な方法をとるべきです。