新聞・雑誌やテレビなどで事実と異なった内容が報道された場合、多くの会社は、新聞などのメディアに対して弁護士を通じて内容証明を送り、その後、名誉毀損の訴訟を提起するなどの対応をしているようです。

しかし、私は、このような対応は、メディアによる誤報への対応としては、まったく意味がないと考えています。

弁護士を通じてメディアに対して内容証明を送ったところでメディアが誤報を認めることはありませんし、名誉毀損の訴訟を提起してもほとんどニュースにもなりません。

また、万が一、訴訟に勝ったとしても、そこで得られる金額はよくて200万円前後、たいていは数十万円です。

これでは、誤報によって会社が受けた有形・無形の経済的損害を回復することはできません。

では、このような誤報が行われた場合、会社としたら、どう対応したらよいのか?

もっとも効果があるのは、会社の広報担当者、法務担当者がメディアに申し入れをして、メディアの渉外部なり担当記者に事実を説明に行くことです。

広報担当者と法務担当者が真実の数値や事実を記した資料を持っていき、メディアに対して「この部分に照らして、報道内容は事実と異なる」と淡々と事実を説明する。

これがもっとも効果があります。

メディアによっては、この事実説明を受けて、報道した内容が誤報であったことを認め、訂正記事までは出さないにせよ、次からは事実に基づいた報道をしてくれることが多いです。

「北風と太陽」ではありませんが、弁護士を通じて内容証明という「北風」を送るよりは、弁護士を表に出さずに広報担当者、法務担当者という会社の関係者が「太陽」の光を浴びせる方が、メディアに対しては効果的です。

もちろん、この場合に、メディアにどのような資料を持参し、どのように説明するか、弁護士に事前に相談するべきです。