コンプライアンスに関する社内教育や社内研修は、「具体的な事例」を教材として教えるのが効果的です。

コンプライアンスの社内教育や社内研修の場面では、「法律に関する知識」を教え込もうと、条文集やマニュアルのようなものを教材として教育・研修を行うケースもよく見られます。

しかし、従業員は、条文集やマニュアルのような抽象的な内容を教えられても、具体的なイメージがわきません。

そうなると、従業員は、いざ問題に直面したときであっても、抽象論と目の前にある問題とを結びつけて考えることができません。

これでは、せっかく社内教育や社内研修を行っても、その意味がありません。

従業員がいざ具体的な問題に直面したときにコンプライアンスに基づいた行動ができるようにするためには、社内教育や社内研修の段階で、具体的な事例やその事例における望ましい行動パターンを教え込んでおくことです。

そのような具体的な事例や行動パターンを教え込んでおけば、従業員は、とっさのときに、「社内研修で習ったあの事例に似ているな。あの事例のパターンを参考にすれば、こういう行動をすればいいはずだ」と自分の頭で判断して行動ができるようになるのです。

なお、社内教育や社内研修で取り上げる具体的な事例は、過去に社内で発生した事例や同業他社で発生した事例などを取り上げるのが好ましいです。

過去に社内で発生した事例や同業他社で発生した事例であれば、従業員が事例の説明を聞いているときに具体的にイメージしやすく、また、将来、従業員が似たような問題に直面することが予想されるので、社内教育や社内研修という観点からは効率的といえるからです。