危機管理・リスクマネジメントの観点から、取締役会議事録を作成する際に、株主代表訴訟のことを見据えておくことは重要です。

株主代表訴訟になった場合、取締役側が証拠として提出するのは、取締役会の議事録や配付資料、または経営会議などの内容、資料だからです。

取締役は、これらの議事録等を証拠として提出して、取締役としての経営判断が「経営判断の原則」のルールに則したものであることを主張立証しなければなりません。

危機管理・リスクマネジメントの観点から捉えると、取締役会議事録の「取締役会の議事の経過の要領およびその結果」という項目には、単に取締役会の議論のプロセスを記載しておくだけではなく、「経営判断の原則」を踏まえた記載をしておくべきと理解することができます。

そこで、何か重要な経営判断を行った場合には、

(1)経営判断の前提となった事実の認識に不注意な誤りがなかったことがわかるように、前提事実についての詳細を記載するか、もしくは前提事実に関して収集した資料を取締役会配付資料として添付すること、および、

(2)経営判断の過程・内容が著しく不合理でなかったことがわかるように、取締役会での決議への議論のプロセスを記載すること

が必要であるということができます。